インドにおける源泉徴収税(インド国内取引)について

January 24, 2022

インドでは、不動産仲介料の支払い時、事務所やアパートの家賃支払い時、月極レンタカー費用の支払い時、コンサルタントへの支払い時、サブコンへの費用支払い時など、ありとあらゆる支払い時に源泉徴収税(TDSまたはWithholding Tax)の控除が求められます。

 

日本で源泉徴収税と聞くと、会社が従業員の給与から控除する所得税が思い浮かびますが、インドでは、従業員の給与から控除する源泉徴収税はもちろん、上記を含む各支払いに対しても源泉徴収税の控除が必要となります。

 

源泉徴収税はそもそも、受取り側に代わって、支払い側が予め所定の所得税を支払い金額から控除し、受取り側に代わって所得税当局に納税する税金です。受取り側は、年度末の確定申告において、支払い側が控除した税金を自身の所得納税額と相殺することが可能です。

 

もし、源泉徴収税として控除された金額が、確定申告における自身の最終所得納税額よりも多かった場合、つまり所得税の過払いとなってしまった場合には、納税・申告者は差額を還付金として請求することも出来ます。

 

インド所得税法では、源泉徴収税の徴収および納税義務は支払い側に課せられており、もし誤って控除し損ねてしまった場合には、支払い側が納税義務を負うことになります。本来であれば支払い金額の中から控除して納付すべき税金が、控除し損ねることで、支払い金額とは追加で、税金を負担することになってしまいますので、十分な配慮が必要です。

 

また、インドでは基本的には性悪説の考え方が根本にあり、受取り側の確定申告における所得の申告、および申告に基づく所得税の納付に依存していると、正直に、適正な所得申告を行う者(会社を含む)はいないだろう、つまり所得税を納付する者はいないだろう、と考えられています。

 

この状況を打破し、所得税の徴税を最適化する方法として、インド政府は支払い側に徴収・納税義務を課し、各支払いをその対象に含めています。

 

<源泉徴収税適用税率:主な支払いにかかる例>

 
支払いの性質 適用税率
1 給与 別途規定の累進課税
2 家賃 10%
3 サブコン(下請け業者)への支払い

a) 受取り側が個人またはHUF**の場合:1%

 

b) その他:2%

4 ロイヤリティ 10%+サーチャージ
5 技術サービス料(FTS) 10%+サーチャージ
6 プロフェッショナルサービス料 10%
7 コミッション(仲介手数料など) 5%

*上記は、インド国内企業によるインド居住者への支払いを対象としています。

**HUF:ヒンドゥ未分割家族

 

インドの国内取引における源泉徴収税に関してご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

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