【UAE】取締役が提供するサービスに対するVATの影響


Executive directorとは?


業務執行取締役(Executive director)は、組織の経営幹部の一員です。雇用契約を結んでいるため、組織の従業員とみなされます。一般的に、雇用主のためにサービスを提供する従業員は、VAT申告の目的上、課税対象となる供給を行っているとはみなされません。

 非業務執行取締役は、社外取締役であり、経営陣の一員ではありません。通常、専門的な知識を持つことから選ばれ、専門的な助言を与えるために任命されます。その結果
 非業務執行取締役は、定期的、継続的かつ独立的にサービスを提供することになります。

業務執行取締役のサービス?


UAEのVAT法では、UAEで事業を行う者が対価を得てサービスを提供した場合、課税対象となる供給が発生すると規定されています。
非業務執行取締役は、取締役報酬、ボーナス、ストックオプション、非業務執行取締役が取得した物品・サービスの対価と引き換えにサービスを提供しているとみなされます。

サービスの対価(課税供給)がVAT義務登録の閾値であるAED375,000を超える場合、非業務執行取締役は、そのサービスに対してVATを請求することが義務づけられています。

提供されるサービスには、5%の標準税率が適用されます。
ただし、VATに関する行政規則に基づき、ゼロ税率の条件を満たした場合、VATは0%で適用されることがあります。

居住者と非居住者?


非業務執行取締役が非居住者であり、供給地がUAEである場合、サービスを受ける組織がUAEでVAT登録をしていれば、リバースチャージ方式でVATが処理されます。
サービスを受ける組織がVAT登録をしていない場合、非居住者の非業務執行取締役は、UAEでVAT登録をする義務が生じます。


供給日とは?


供給日は、VAT登録者がVATを計上する必要がある時点を規定します。定期的な支払いか、連続したインボイスかによって一般規則または特別規則のいずれかに従って決定されます。
ここでは、独立した取締役に支払われる取締役報酬の供給日について説明します。

 独立した取締役の報酬が予め分からず年次総会の終了後に決定される場合、供給日はその報酬が判明した時点で発生することになります。

 取締役報酬が当初から判明している場合、定期的な支払いまたは連続した請求書がある場合には、付加価値税に関するArticle 26 of the Federal Decree-Law No. (8) of 2017に従って、以下のうち最も早い日が供給日となります。

 TAXインボイスの発行日
 TAXインボイスに記載された支払期限日
 支払いの受領日

又は、サービスの提供日から12ヶ月が経過し前述のいずれの事象も発生していない場合、12ヶ月目の末日に供給日が発生します。
ただし、定期的な支払いや連続したインボイスがない場合、VAT 法Article 25に基づき、以下のうち最も早い日が供給日となります。
 TAXインボイスの発行日
 サービスの提供が完了した日
 支払いの受領日


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