シンガポール現地法人設立時に必要なカンパニー・セクレタリーとは?!

こんにちは。


今回は、シンガポールでの現地法人設立時に必要となるカンパニー・セクレタリー(会社秘書役業務)について解説いたします。

 

シンガポール会社法で定められているカンパニー・セクレタリーの役割と義務について確認し、現地法人設立の際のご参考になれば幸いでございます。

 

シンガポール現地法人設立 / カンパニー・セクレタリーとは


シンガポールの会社法(Companies Act)におけるカンパニー・セクレタリー(Secretary of Company)は会社の機関の一つであり、日本語では秘書役又は書記役と訳されることがあります。

カンパニー・セクレタリーとは、取締役会の意思決定が法令に基づき行われており、会社が法令に準拠して届出や文書作成をおこなっているかどうかを監視する役割を担っています。

シンガポールにおいて、全ての会社は最低1名の会社秘書役を置かなければなりません。(法人設立後、6ヵ月以内に選任しなければなりません。)
会社秘書役はシンガポールに居住する自然人である必要があります。

また、取締役が1名である場合には、カンパニー・セクレタリーが取締役を兼務することはできません。(Companies Act 171条1項)

シンガポール現地法人設立 / カンパニー・セクレタリーの資格要件


プライベート・カンパニーにおいては、カンパニー・セクレタリーの資格要件はありません。

一方、パブリック・カンパニーにおいては以下の資格要件のいずれかを満たす者でなければなりません。(Companies Act 171条)


1. 以下のいずれかの団体に所属している者 a) The Institute of Certified Public Accountants of Singapore : ICPAS b) The Institute of Chartered Secretaries and Administrators : SAICSA c) The Institute of Company Accountants (Singapore) d) The Association of International Accountants (Singapore Branch)
2. The Legal Profession Actにて認められている有資格者
3. The Accountants Actにて認められている公認会計士
4. 最近5年間のうち、少なくとも3年間カンパニー・セクレタリーとして従事していた者
5. 1987年5月15日時点において、既にカンパニー・セクレタリーに就任していた者
 

シンガポール現地法人設立 / カンパニー・セクレタリーの任命


カンパニー・セクレタリーはシンガポール現地法人設立時に原則として取締役により任命されます。(Companies Act 171条3項)

また、カンパニー・セクレタリーがシンガポール現地法人設立後6ヵ月以上不在であってはなりません。(Companies Act 171条4項)

シンガポール現地法人にてカンパニー・セクレタリーが交代した場合や住所等の変更があった場合にはACRAへの届け出を行う必要があります。(Companies Act 173条)

シンガポール現地法人設立 / カンパニー・セクレタリーの業務内容


カンパニー・セクレタリーの業務はACRAへの届出事項に関する業務を行うことです。
多くの場合手続き上の書類作成業務となるため、日本の監査役のようにシンガポール現地法人の業務監査権はありません。

中小企業の場合、カンパニー・セクレタリーの名義貸し(Named Company Secretary)を行い、シンガポール現地法人での実務は弊社のようなカンパニー・セクレタリー会社や法律事務所に依頼する事が一般的です。

具体的な業務内容は以下のとおりです。

a) 会社法上の登記事項についてACRAに提出する書類の作成及び登記
b) 認証のための副署 (Countersigning)
c) 取締役会の議事録作成 / 株主総会の議事録等、法定帳簿の整備及び保管
d) 株主総会招集通知等の作成及び発送
e) 発行する株券(Share Certificate)への署名

今回の内容は以上でございます。

社MBGコーポレートサービスでは、シンガポール現地法人設立時に必要となるカンパニー・セクレタリーサービスを行っております。
是非お気軽にご相談ください。