カンパニー・セクレタリー
February 12, 2020 Uncategorized
シンガポールの会社法(Companies Act)におけるカンパニー・セクレタリー(Secretary of Company)は会社の機関の一つであり、日本語では秘書役又は書記役と訳されることがあります。
カンパニー・セクレタリーとは、取締役会の意思決定が法令に基づき行われており、会社が法令に準拠して届出や文書作成をおこなっているかどうかを監視する役割を担っています。
シンガポールにおいて、全ての会社は最低1名のカンパニー・セクレタリーを置かなければなりません。(法人設立後、6ヵ月以内に選任しなければならない。)
カンパニー・セクレタリーはシンガポールに居住する自然人である必要があります。また、取締役が1名である場合には、カンパニー・セクレタリーが取締役を兼務することはできません。(「会社法」第 171条1項)
- カンパニー・セクレタリーの資格要件
プライベート・カンパニーにおいては、カンパニー・セクレタリーの資格要件はありません。
一方、パブリック・カンパニーにおいては、以下の資格要件のいずれかを満たす者でなければなりません。(「会社法」第 171条)
- 以下のいずれかの団体に所属している者
■The Institute of Certified Public Accountants of Singapore : ICPAS
■The Institute of Chartered Secretaries and Administrators : SAICSA
■The Institute of Company Accountants (Singapore)
■The Association of International Accountants (Singapore Branch)
– 「法律専門家法」(The Legal Profession Act)にて認められている有資格者
- 「会計士法」(The Accountants Act)にて認められている公認会計士
- 直近5年間のうち、少なくとも3年間カンパニー・セクレタリーとして従事していた者
- 1987年5月15日時点において、既にカンパニー・セクレタリーに就任していた者
- カンパニー・セクレタリーの任命
カンパニー・セクレタリーは原則、取締役により任命されます。(「会社法」第 171条3項)
カンパニー・セクレタリーが6ヵ月以上不在であってはなりません。(「会社法」第 171条4項)
また、カンパニー・セクレタリーが交代した場合や住所等の変更があった場合にはACRAへの届け出を行う必要があります。(「会社法」第 173条)
- カンパニー・セクレタリーの業務内容
カンパニー・セクレタリーの業務はACRAへの届出事項に関する業務を行うことです。多くの場合、手続き上の書類作成業務となるため、日本の監査役のように業務監査権はありません。
中小企業の場合、カンパニー・セクレタリーの名義貸し(Named Company Secretary)を行い、実務をカンパニー・セクレタリー会社や法律事務所に依頼する事が多いです。
具体的な業務内容は以下のとおりです。
- 会社法上の登記事項についてACRAに提出する書類の作成及び登記
- 認証のための副署 (Countersigning)
- 取締役会の議事録作成 / 株主総会の議事録等、法定帳簿の整備及び保管
- 株主総会招集通知等の作成及び発送
- 発行する株券(Share Certificate)への署名
弊社MBGでもカンパニー・セクレタリーサービスを行っております。是非お気軽にご相談ください。